徳沢ロッヂの長年のパートナーのひとりであったこの掃除機氏
体調不良により無期限療養に入ることになりました。
ついこの間まで元気だったのに、いつしか音と吸引力が反比例するようになり、
あんなに大きかった乾いた呼吸はまるで線香花火を見守っている時のように
次第に細くなっていきました。
あれだけ短いことがコンプレックスだった電源コード。
今ではそれに縛られてしまったかのような後ろ姿には哀愁さえ漂います。
しかしながら世代交代が世の定めなら
清掃業務は宿屋の宿命。
自ら救世主と言わんばかりに現れたニューカマー、新掃除機氏。
洗練された質感に近未来を思わせる曲線美は
スピルバーグもうっとりでしょう。
新入りの艶は皮肉ほどに先人の後ろに影を落とします。
皆さんもご遠慮なく段ボールに入院中の掃除機氏を見舞いにお越し下さい。
奥上高地の人情交差点、徳沢ロッヂ。
今日もきれいにC-3PO従業員が掃除してお客様をお待ちしております。