過去を遡ればある先輩の勘違いで始まった僕の徳沢ロッヂでの生活
それは、12年程前のこと。 学校の寮、同じ部屋で仲良くしてもらっていた2つ上の先輩が
学校登山で槍ヶ岳に登った折、道中素晴らしいロケーション、気持ちの良い芝生、おしゃれな建物
そこで食べた美味しいカレー、来年の夏休みには是非ここで働いてみたいと心に思ったそうだ
翌年、アルバイト募集を見て早速応募、無事採用され念願、憧れの徳沢の宿で働けることに。
ただ彼は知らなかった、徳沢には二つの宿があることを
楽しみにしていた夏バイト、徳沢に近づくとなんだかおかしい
連れて行かれたのは森の中、キャンプ場の手前徳沢ロッヂ
めでたく願っていなかった徳沢ロッヂで働くことに
その先輩と仲が良かった僕もその二年後夏のアルバイトに誘ってもらった
そんな僕も三、四年前、芝生でカレーを食べたレトロな建物で働くことを想像して徳沢に行った
三回ほど通ったことのある道、ただ徳沢ロッヂの存在を知らなかった
働いてみればとても素敵な宿、徳沢ロッヂ
7年ほど忙しい時期だけ毎年通うようになり
四年前からシーズンを通して働かさせてもらうようになった
そんな僕の出会い、徳沢地区、徳沢園と徳沢ロッヂ
同じ地区にある事、山の中で不便、自然災害など多いこと
お隣の小屋同士、いろいろな作業を協力して行うことも多い
自然と顔を合わすことも多くなり、助け合っている徳沢園、徳沢ロッヂ
そんな徳沢園と徳沢ロッヂの話
(隣の若旦那からプレゼント編)
ある日徳沢園の若旦那がふらっとロッヂに 手にはアロハシャツ
時たま寄る徳沢園では従業員が時にアロハシャツで働いていることが
山でもアロハシャツは違和感無くかっこよく着こなせるんだなあと思った僕
そんなアロハシャツをお土産でいただいた
なんだか嬉しくって自分の部屋に入るなりとりあえず着てみた
窓ガラスに映る自分
初めて行ったハワイ旅行で浮かれてしまった若者がガラスに映った
角度を変えてみてもやっぱり映るのは弱そうなチンピラ
なんだか一人顔が赤くなった
洋服も人と所を選ぶんだと学んだ28歳の春
アロハシャツは大切にしまってあります
いつかハワイで浮かれたときのために
また別の日 夏の昼下がり
ソフトクリームの差し入れがあるからもし良かったら取りにおいでと若旦那の嬉しい一声
小走りでにやけつつ徳沢園へ
大きなタッパーに入ったソフトクリームをもらった帰り道
キャンプ場では徳沢の従業員が楽しそうにバトミントンにキャッチボール
ついつい楽しそうで仲間入り、炎天下の下には頂いたソフトクリーム
わははなんて言いながら遊ぶ自分
遠くから聞こえる声
「アイス溶けるだろ!早く帰れ!冷凍庫入れてから遊べ!こらっっっっっ」
初めて聞いた若旦那の怒る声
真夏の太陽は驚異的なスピードでソフトクリームを溶かす
溶けたソフトクリームを冷凍庫に入れた
夜タッパーを開けた
ソフトクリームはハードクリームになると学んだ28歳の夏
その後ソフトクリームの差し入れは影を潜めている
また別の日、若旦那からこの照明ランプはもう使わないからと
おしゃれなランプをいただいた
早速、蛍光灯で味気が無かったフロントの照明を取り替えた
その光はほんわか暖かく、落ち着いた雰囲気をかもし出した
照明を変えた日の夜 一日の締め作業をする支配人
「あれ、みえないな、これみえにくいな」 つぶやく支配人
自然と目は書類に近づき、背中をかがめる支配人を見て
おしゃれは我慢なんだなと思った29歳の春
そんな若旦那には物よりもなによりも
奇想天外な発想 少し辛口なつっこみ 面白い話を会うたびに頂いております
徳沢園のブログをお読みいただければその面白さが多少分かって頂けるかと思います
以上